国産ヨウム ブリーダー、繁殖、販売

ブリーダーという職業について

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ブリーダーという職業について

ヨウムに限らず、動物が好きな人たちは自分が飼育しているペットに関係した職業につきたいと考えることがあるものです。

 

私もその一人で昔から飼っていた鳥たちがいつしか職業の一つになってしまいました。

 

私がブリーダーという職業を始めることになったのは自発的というより、仕方なしにと言った方が正確です。

 

昔はペットを販売することは特に規制されておらず、誰でも家で繁殖したペットを販売することが出来ました。生まれた雛やいろいろな動物が大手のオークションサイトで出品されていたものです。

 

ほんの十数年前までそんな時代でした。ところが動物愛護法がどんどん厳しくなり、動物を販売する人は自治体への登録が義務付けられ、繁殖施設は保健所の監督下に置かれました。

 

そしてオークションでの取引の禁止や、動物取扱業者の教育と意識の向上が今日に至るまで段階的に図られてきたのです。

 

その過程で、その変化に合わせられない繁殖して動物を販売していた人は、それが出来なくなりましたし、多くの自称ブリーダーやペットショップが廃業してゆくことになったのです。

 

私は仕事としてやりにくくなったからといって飼育している鳥たちを手放すのは、動物愛護の観点から間違っていると思いますし、飼育している鳥たちが自然繁殖している限り、それを必要としている人に届けるために大切に育てるのは義務だとも考えています。

 

それで現在に至るまで業者登録も行って動物取扱業者として、動物取扱責任者として業務を行なっています。

 

はっきり言って動物の飼育と直接関係のない事務に多くの時間と労力を費やさないといけなくなったので大変です。

 

でもこれは決まった定めなので法律に従って粛々とブリーダー業務を果たしています。

 

 

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ブリーダーは儲かる?

 

 

時々、ブリーダーに憧れて、自分もブリーダーになりたいと言われる方にお会いする事もあります。

 

動物が元来好きでお世話をしたいからそう言っている人もいれば、ブリーダーは儲かるのじゃないかと考えてそう言っている人もいます。

 

さて、ブリーダーは儲かると思いますか?

 

 

私の答えはN Oです。

 

 

 

でも、大型インコやオウムは高額ですよね。例えば、みんなの憧れ、スミレコンゴウインコは1000万円ほどします。ヨウムも最近は価格が上がって35万円から40万円くらいするかもしれません。大型のペットショップなどではそれ以上の値段になっている事もあるでしょう。

 

それだけ高額ならかなり儲かるのではないかと考える方がいらっしゃいます。

 

確かにつけられている値段だけ考えるとかなりの金額になるかもしれません。

 

例えばスミレコンゴウインコ、ペアを2000万円で購入して繁殖を行います。1年に2回ほど繁殖に成功して1回の繁殖で卵が2個生まれて全部孵れば見事4000万円!

 

たとえ親鳥2000万円を借金して購入したとしても1年で完済してしかも利益2000万円達成!

 

と考えるかもしれません。でも実際にはそんなに甘いものではありません。2000万円で購入したスミレコンゴウインコのペアが、購入してすぐに繁殖する可能性はあるでしょうか?

 

親鳥の繁殖施設はどうするのでしょうか?賃貸なら賃貸料金が毎月かかります。持ち家でも押し入れで飼育するわけにはいきません。業者登録するには認可されるための条件を満たした飼育スペースを確保する必要があります。

 

たとえ卵を産んでもそれが孵ると決まっているわけではありません。孵らないかもしれませんし、孵ったものの成長途中で死んでしまう事もありますし、生まれてきた個体が奇形である場合もあります。
奇形だった雛はどうしますか?売れませんよね?黙って売りますか?仕方なしに家で世話しますか?それとも。。。

 

そうなりますと、先ほどの1年で4000万円の計画が崩れてゆきます。親鳥の2000万円だって回収できないかもしれません。

 

このことからわかるようにブリーダーの仕事は予算が立てにくい仕事であることがわかると思います。

 

支出に関してはある程度固定で見積もることができるかも知れませんが、その場合でも不足の出費があるかも知れませんので、予備費をある程度定めておく必要があるでしょう。

 

収入に関してはどうしても不明確になってゆきます。

 

今年、たとえ繁殖に成功して収入が多かっても来年同じ収入が得られる保証はないのです。確定申告を自分でやっておられる方ならそれが何を意味するかよくわかると思います。

 

とても不安定な職業だと言えるでしょう。

 

 

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また、1羽の価格は確かに高額ですが、年収に換算してみたり時給に換算してみたりする時、それがどれだけ美味しい仕事かという事も考える必要があります。

 

たとえスミレコンゴウインコが1000万円で売れるとしてもそのような高額なペットを購入する人が果たして年間何人いるでしょうか?

 

また、先ほど1年で4羽生まれたら4000万と述べましたが、せいぜい繁殖が成功しても2羽取れればいい方なんじゃないでしょうか?

 

しかも毎年となるとかなり厳しいと思います。そう考えるとたとえ年間収入が2000万円だとしても賃貸料金や各諸経費を差し引くと純利益はどれほどになるでしょうか?親鳥の2000万を入れると赤字になりますね。

 

また時給に換算するのも大切な考え方です。皆さんは時給400円のパートが募集されていたら申し込みますか?大好きなペットショップだったらどうでしょうか?

 

たとえ大好きなペットショップでも時給400円はちょっと厳しいですよね。1日まる8時間働いても3200円ということになります。週5日で16000円。1ヶ月丸々働いても64000円ですね。

 

やってられないですよね。

 

 

 

では例えば大型インコやオウムの繁殖が成功したとします。1羽30万円のインコが年に2回繁殖に成功し、1回の繁殖で3羽生まれたとします。2回の繁殖で合計6羽ですね。

 

年間の収入は180万円になります。この金額だけを見ると高額ですが、この収入が上限だとするとこの金額に基づいて月収、日給、時給に換算して計算してみることが出来ます。

 

180万円÷12ヶ月=15万円 180万円÷365日=4932円。4932円÷8時間=617円

 

このような計算になると思います。ちなみにこの計算には経費は省かれていませんので、賃貸料や餌代、光熱費など含めますと売り上げの半分以上は持っていかれますので純利益はますます少なくなることになります。

 

また時給の計算は8時間で割っていますが実際にはブリーダーという仕事は時間で区切ることができるような仕事ではありません。特に雛が生まれたら24時間お世話のために待機していないといけませんし、外泊もできません。雛のいない時にも親鳥の世話を怠るわけにはいけません。

 

では1年間365日休みなしで1日24時間いつでも働かないといけない仕事で時給500円以下という仕事に本当に魅力を感じるでしょうか?

 

仕事としては最悪ですよね。絶対やりたくない仕事だと思います。

 

 

 

 

でも親鳥をもっと増やして雛の繁殖の数を増やせばいいのではないかと考える方もいるかもしれません。

 

確かに180万円が2倍になれば360万円。3倍になれば540万円になります。そうなれば月給や時給に換算してもそれなりの金額になるかも知れません。

 

ただし、経費も倍増するという事も見過ごすべきではありません。賃貸料は変わらないので単純に倍増というわけではありませんが、餌代は確実に倍増しますし、飼育スペースが十分に確保できないなら増やす必要が生じます。

 

また今後の法律で改正されてゆく点だと思いますが、ブリーダーは飼育員一人当たりの飼育頭数が制限されてゆきます。

 

つまり単純に儲けるために数を増やせなくなるのです。

 

飼育頭数を増やすためにはそれに応じた飼育員を雇わなくてはいけなくなります。雇用ほどかかる経費はありませんよね。

 

ですから現状を考えるとブリーダーやペットの販売で儲けようと思うなら販売価格を上げるか、経費をこっそり減らしてゆくしかないのです。

 

価格を上げるなら購入者に負担がかかり、経費を削減するなら飼育動物がネグレクトなどの虐待を受けたり、従業員が安い賃金で働かされることになるのです。

 

ですからブリーダーという仕事は儲かる仕事ではないということをどうぞご明記ください。

 

儲かるんじゃないかと思って新規参入すると自分も飼育される動物も多くの苦難を経験することになるでしょう。

 

ブリーダー一本で生計を建てるのは大変危険です。人間が生活に困るようになるとその影響を受けるのは世話を受けている動物たちです。

 

今でもブリーダーを続けている多くの人たちはブリーダーはサイドビジネスとして行なっておられる方たちがほとんどだという事もお伝えしておきます。

 

本業があるからブリーダーをやってゆけるのです。ブリーダー業に傾きすぎて本業が疎かになってはいけません。また、本業や人間としての社会活動に忙しくなり過ぎて飼育動物がないがしろになってもいけません。

 

このバランスをどう保つのか、とても難しい仕事だと思います。

 

 

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ブリーダーは繁殖販売から収入を得ること自体は正しい

 

 

 

 

もちろん、儲けるために新規参入するのはお勧めしませんが、もうすでに飼育をされていて繁殖も成功されている方であるなら動物取扱業者を目指すのは良いことではないかと思います。

 

ある方は動物で収入を得るなんて良くないと考えて繁殖した雛たちも無償で提供すべきと考えるかもしれませんが、それは現実を度外視した理想論と言えるかもしれません。

 

飼育や繁殖に費用がかかっている以上、生体だけ無償というのはおかしな話です。このような経済社会の中でペットを流通させるならペットの価値を適正に保つためにもふさわしい価格設定というものが必要では無いでしょうか?

 

ですから法律も動物を販売することは認めていて、適正に管理販売することを定めているわけですのでその法律を遵守しつつブリーダーとして動物を販売するのは悪いことではありません。

 

動物取扱業者になれば保健所の指導や、研修を受けることが出来ますので知識を増し加えてゆくことが出来ます。

 

またより良い飼育環境を整えてゆく意識も高まるでしょう。法律に則って生まれた雛を販売することが出来、適切な飼育方法をお迎えした人たちに伝えてゆくことが出来ます。

 

販売で得たお金は本業ではありませんが、飼育動物たちの飼育状況向上のために用いてゆく事もできるでしょう。

 

ですからブリーダー、動物取扱業者の仕事は利益を優先する仕事ではなく、あくまでも動物を愛護し、大切に世話するための仕事であると考えるべきでしょう。

 

 

 

まとめ

 

ブリーダーは儲からない

 

 

ペットの販売で利益を追求しちゃダメ

 

 

ブリーダー業で収入を得ることは間違いでは無いがあくまでサイドビジネス

 

 

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1、ヨウムの性格や生態についてどれほど知っているか

 

 

 

2、ヨウムの雛を購入する資金はあるか

 

 

 

3、ヨウムの雛を世話する時間が毎日あるか

 

 

 

4、ヨウムを飼育し続けることが出来るか

 

 

5、同居している家族の同意は得られているか

 

 

 

6、ご自宅は飼育する部屋やスペースがあるか

 

 

 

7、ヨウムの鳴き声が騒音となって家族や近所に迷惑とならないか

 

 

 

8、ヨウムが噛んだり爪でしがみついて傷ついても多少は平気か

 

 

 

9、部屋に羽や脂粉が飛んでも平気か

 

 

 

10、毎日掃除してあげられるか

 

 

 

11、ヨウムが思い通りにならなくても辛抱強く接し続けられるか

 

 

 

 

 

 

 

 

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